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Junkieta.netFragment → Notes, 2008-10

2008年10月の雑記

2008-10-26, 公開開始

ドメイン取得から二週間、やっとのことで旧サイトのログのほとんどを再公開した。どうせだからといってマークアップを直し続けてたら、膨大な時間を費やすことになってしまった。でもとにかく、ログ復旧作業だけは公開してきた義務として自身に課していたものだから、避けて通ることはしたくなかった。

改めて日記とか雑記とか、手軽な更新を行うもの用にウェブログ生成ツールを使おうかとも思ったが、僕はツールを使ったHTMLファイルの更新にもう嫌気がさしていた。HTMLを書くだけなら、文書を清書する作業に等しいので苦にならない。文書の管理システムに適合させるための労力が僕の気持ちを憂鬱にしていた。長らくWebに文書を公開せずにいたのは、この作業への嫌悪感も大きな要因になっていた。

以前は自作したPerlスクリプトで各種ファイルを生成していたけれど、タイトルを決めてカテゴリーを決めて概要を書いて…という形式に落とし込まないと書けないものだった。だから次につくるシステムは、もっと柔軟な入力に対応できるようにしよう...なんて考えて、スクリプト自体の仕様やカスタマイズにばかり時間が割かれてしまっていたのだから本末転倒だ。書くことにだけ労力を使いたいと願うからスクリプトを作っていたのに、そのスクリプトのためにしか動けなくなっていた。

ツールに思考や記述が限定されていくのにはもう耐えられない。一つの文書として綿密な校正を施す対象ならば、そもそも管理を自動化しなくても手間をかけてやればいい。カテゴライズなんて、分量がたまってきたらその都度やればいい。僕は文章を管理する方法ばかり考えていて、文章を生み出すことからずいぶん離れてしまった。二度とこんな馬鹿げた苦しみを味あわないように、今はとにかく書きたいと感じたことを書くことから再出発していきたい。

2008-10-27, 考察メモ公開、見出しスタイル変更

「うみねこのなく頃に」考察メモを公開。ほんとうにメモなので、説明不十分だったり見出し間の関連が薄かったりと問題はあるが、時間がたつほど公開する気がなくなっていくと思うので踏み切った。Fragmentの名の通り断片的な考察でしかないけれど、続編をやりながら考えを少しずつまとめていければいい。

デジタルゲーム学会での竜騎士07さんとBTさんの講座ももうすぐだし、改めて自分なりに作品に対するイメージを持っておけてよかった。…しかし急いで予約した講座なのに、席がやたらあまっているらしくて、やや拍子抜け。学会での講座となると客足が遠のくものなんだろうか。

あと、大見出しにつけていたゴテゴテの装飾的背景を取り除いた。すっきりしすぎた感もあるが、テキストは俄然読みやすくなった。黒地白文字と白地黒文字、両方を一つのページで使うのは目が疲れる。この状態なら、後で背景とか使いたくなってもスムーズに変更できるし、大見出し周りのCSSがすっきりして書きやすい。

2008-10-27, 被捕捉を捕捉

見晴らしの遠眼鏡が移転を即座に反映してくれているのを知ってびっくり。このたびは当方のURL変更という手前勝手のために、手間を取らせて申し訳ない。ウェブサイトとしてそれなりにコンテンツをかためたら、こちらで知りえているチェックしてくれていた人たちに連絡しようと思っていたのだけれど、それより先に発見されてしまったわけで。

2008-10-27, 温泉行き決定

明日は温泉に行くことになった。地元でありながら行ったことのなかった四万温泉で一泊二日。もっとも、当日の駆け込みで応えてくれる宿があればの話だが。

ガキの頃から温泉はけっこう好きで、学校をサボって伊香保温泉とかに向かったこともあった。京都で学生やってた頃に銭湯に行ったりもしたけど、別物だと感じている。別に効能がどうのって話は知らないし興味もないが、温泉のある街には独特の空気がある。道行く人の魂が抜けているというか、地に足ついていないというか。どこに行って何を見る、なんて目的を定めた観光とも違うし、どちらかといえば天国とかそういう類の場所をうろつくイメージ。僕にとって温泉を楽しむこととは怠惰を貪ることであり、帰宅とは怠惰を失うということなんじゃないかと。

でも、一泊できないとしたら行くのは憂鬱だ。日帰り旅行というヤツは好きになれない。眠りを一度くらい挟まないと、怠惰がこの身の血肉になってくれない、消化が悪い。怠惰にたっぷり浸ってふやけた身体を引きずって、心身を切り刻む日常の世界に戻った時の、あの温度差で酔っぱらいたい。

2008-10-29, 四万温泉旅行の報告

出発前に温泉旅行について怠惰がどうのと書いたが、今回の旅行はちっともそういうものにはならず、ずいぶん色々な思いをした。が、いちいち公開すべきではないエピソードも多いので、省きながら回ったところを簡単に書いておく。

昨日(つまり、出発日)の昼に宿泊先の宿を予約して、実際に四万についたのが午後3時過ぎ。荷物を部屋に置いてから宿周辺を回って、雑貨なども扱っている内装の趣味がいい喫茶を見つけて入った。二階席に案内され、「本日のオススメ」だったパンプキン・シフォンケーキとブレンド・コーヒーのセットを注文。

ウェイターさんが品を運んできたとき、嫌な予感がした。僕はケーキセットの注文時、飲み物を「ブレンド」と言ったのだが、ウェイターさんは「ホット・コーヒーになります」と言って持ってきたのだ。僕の経験則では、珈琲を「ホット・コーヒー」と呼ぶ店はほぼ確実にヤバい。そして、的中。インスタント・コーヒーほどではないにしても、味と呼ぶべきものが見当たらない飲み物。だがそれ以上に、シフォンがひどい。明らかに粉の味しかしない。卵とバターをケチりすぎて、薄力粉の塊を生クリームで無理やり飲み込むような代物だった。

旅館のほうも、もともと安さと温泉を基準にした選択だったから料理は期待していなかったが、案の定の結果だった。肝心の温泉も、宿内にいくつかある共同湯をみなまわってみるとそこそこは楽しめたものの、ぬるめに設定されているところが多く、薄ら寒さを何度か感じた。今後、僕が人と旅行に行くときは、行き先についてアドバンテージをとらないようにしよう、と誓うに充分な体験だった。

ただ今朝方、宿を出てから見て回った街の風景は素敵だった。四万は温泉街というよりも、温泉「郷」というほうがイメージに近い。どこにいても四万川の流れていく音、そして温泉成分の何かからだと思われるやわらかい香りが届く。世間の休日とは少しずれていたせいか、観光客もそれほどの数ではなく、終始穏やかな印象を保っていた。道路脇におかれた道祖神とか、名前も由来もわからない小さな神社に手合わせしたりしつつ、路地・山間の小道・共同浴場などをぐるりとしてきた。ちなみに立ち寄った(名前は失念した)共同浴場の湯音がかなり高く、標高の高さからくる寒さも、湯上りには心地いい空気に感じられた。

ほどよく疲れた後、四万川ダムへ。ダムの湖水は鈍く青色に光って、それが水だということを忘れて魅入った。でも向かい風が真冬並みに厳しく、飛び込みたいという欲求は沸かなかった。それ以前に、見ている高さを考えたら確実に死ねる距離なのだけれど。

ダム見物をしているうちに、湖面を走る風を受け続けた身体はどんどん冷えてくる。それで場所を変えようと、今度は「しゃくなげの滝」を見に行くことに。道中、熊出没注意の看板がやたらと目に付く。そのすみっこに小さい字で、出会ったらまず逃げることを考えてくださいと書かれているのが、妙に生々しい。

歩き続けていくと、最後のカーブを抜けて右手側、唐突に滝が目に映る。それほど大きな滝とかいうわけでもなかったけれど、斜め方向から全体が見渡せるよい位置に足場があって、温泉のついでに訪れるにはちょうどいい散歩になった。他の観光客(湯治客?)もいて、めいめいに写真を撮っていた。自分も一枚くらいはと、シャッターを押してきた。ぷち・ミーハー。

帰りの道すがら、自宅の珈琲豆が切れていることを思い出し、Tombi-Coffeeでブラジルとブレンドを200gずつ購入して戻った。自宅着の時間は午後六時過ぎ。結局湯冷めしたようで風邪気味になってしまったが、ひとまず無事に戻ってこられた。

次から遠出の時は、もう少し写真などをたくさんとって歩きたいな、と感じた。どうせ自分の注目してきたものを伝えるにしても、画像があるのとないのとでは、ずいぶん異なってくる。なにより自分の記憶を掘り出す作業において、イメージの具体性が違う。

2008-10-30, クレームなんてつけたくない

先日、僕は近所の酒屋に設置された自販機で、1000円札を入れて缶コーヒーを買おうとした。が、1000円札が詰まってしまうというよくあるトラブルが発生した。引っ張ったりお釣りレバーをひねったりしてみたが、当然反応なし。酒屋はシャッターが閉まっていたので、仕方なく自販機に記された電話番号へかけてみるがまったく出ない。留守番電話にもつながらず、途方に暮れた。

本日、シャッターが開いていたのでこの酒屋にクレームをつけた。が、店にいたのは自販機を管理している店主の兄ちゃんではなく、そのお母さんであり、事実確認ができないという。店内で20分待ったが、配達から戻るはずの兄ちゃんが現れないので、こちらの連絡先だけ伝えて戻る。

その後さらに20分ほど経ち、連絡が来たので再度酒屋へ。実際に金が詰まった日付が何日も前なので、確認が難しいということ。それはそうだと思うが、こちらは電話までしたのにつながらなかったのだ、と伝えたら、「留守電になっているはずだ」といわれて話が平行線になりかけた。

で、実際に自販機を見てみると、自販機に記された電話番号が間違っていた。これにはクレームをつける側・つけられる側ともに唖然となった。連絡先は自販機の設置業者が書き込んだものらしく、店主は苦笑いをしながらそれを書き換えて、僕に1000円札を手渡してくれた。電話番号の記載ミスは店側の過失だろうが、さすがにそれを責め立てる気にもなれないので帰宅。

実家にいるときはずっと利用していた自販機で、子どもの頃から店とも付き合いがあったのだが、それでもクレームは難しいものだと実感した。つけられる側は相手が架空の請求をしている可能性も考慮しながら考えなくてはならないが、つける側になるのもまた大変だ。決して喧嘩したいわけではないし、1000円のためにご近所とぶつかるのも嫌なのだが、架空請求の悪人と思われたままでは引っ込めない。

たかだか自動販売機一台の動作のために、数日をまたいだやりとりをするってのは疲れる。今後、自販機もできるだけ設置店が開いている時間に利用しよう、と思った。

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published:2008-10-26,updated:2008-10-30